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上部消化管X線検査

1.胃の検査(いわゆるバリウム検査)とはどんな検査?

 バリウムと発泡剤(胃を膨らませる顆粒)を飲んでいただき、X線写真を撮影するベッドの上で、

うつぶせや仰向けになったりして動いていただき、胃は勿論、食道及び、十二指腸などの病変の有無を

診断する検査です。
 胃は、食べ物などを腸の方へ送り出すために随時動いています。また、消化させるために胃液などを

分泌しています。これらは、検査を行う上で障害のひとつになります。したがって、時に検査前に、

きれいに胃の写真を撮影するために、注射をします。(筋肉注射、時に静脈注射)注射を射つことにより

一時的に上記の現象を抑制します。心臓病や緑内障、前立線肥大の疑いのある、若しくはそれらの病気に

かかっている患者さんは、事前に医師に申し出て下さい。

 

2.胃の検査を受けるにあたっての事前の注意事項

 検査前日の夕食は消化しやすいあっさりした食事に抑え、なるべく夜9時以降は絶飲食(ガムや飴,タバコも)にし、早めに就寝しましょう。検査の前処置薬として、下剤などをお渡しします。これは、少しでも、胃が自然体で検査に臨める為の準備です。
 検査当日は当然ながら、絶飲食(ガムや飴、タバコも)し、ゆったりした気持ちで検査を向かえましょう。検査前の排便は必ず行いましょう。この検査でよく云われる絶飲食の前処置も大切ですが、胃も当然、からだの一部です。胃をゆっくり休めて検査に臨むことが、なにより大切です。

 

3.検査前の準備

 何よりも、リラックスするように心掛けることです。服装は検査専用着に着替えますが、替え易い軽い服装がよいでしょう。検査後にバリウムで口が汚れるかもしれませんので、タオルなどがあればよいでしょう

 

4.検査開始,検査中のお願い

 検査時間は約10分程度です。服装は検査専用着に着替えますが、バリウムがこぼれて下着など汚す可能性があります。そのため、検査中はできる限りの軽装になっていただきます。また、女性の方でゴムの固めの下着を二重に履かれている方は一枚脱いでいただくことがあります。これは、胃を変形させるため少しでも、胃が自然体で検査に臨める為の準備です。
 検査中は、発砲剤(胃を膨らませる顆粒)を飲んでいただき、ゲップをがまんしてもらいます。発砲剤は、味わって少しずつ飲むより一気に飲んだほうが飲みやすいです。そのあとは上がってくるゲップをあわてずにゆっくり何回もつばを飲むようにして飲めば、ゲップはほとんど上がってきません。いざ、検査のベットの上に寝てみると以外に誰でも少なからず緊張するものです。検査中に、うつぶせや仰向けになったりして動くのが焦ったりしてうまくいかないかもしれません。マイクの声に慌てずに動くとよいでしょう。何故なら、マイクからの説明はひとつずつしか指示はないのですから....。

 

5.検査終了後は?

 我慢していたゲップはもう結構です。がまんせずに出して下さい。下剤を飲用し、普段より多めに水分をとって下さい。強い便秘症の方は、医師に申し出て下さい。検査後1~2日の排便は白色ぎみです。(個人差はあります。)色の違いに驚かない下さい。また、検査後は、前日から満足に食事もしてませんし、緊張感もとれ、ほっとして空腹感が出るかもしれません。通常通りに食事をしてもかまいませんが、暴飲暴食はなさらずに、あっさりとした食事からまた始めてください。検査後も胃をいたわりましょう。

 

6.胃の検査の造影剤とは?

 バリウムはX線撮影に行うと、写真には白く写ります。しかし、胃の内腔の壁は、通常、簡単にいうと凸凹です。この凸凹にバリウムを付けて病変の有無を調べます。より凹みがあれば、バリウムは溜まるので白く写り、より凸があれば、バリウムがはじくので黒く写ります。また小さな凹みや凸でもその形や深さや高さの見極めもこの検査でわかります。したがって、胃の内腔の壁に食物や水分、粘液などがあればあるほど検査の精度は落ちてしまいます。
 以上をもって、少しでも前処置の大切さというものがおわかりいただけたでしょうか。前処置も検査の中の重要なウエイトを占めているのです。


 

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